待ってましたオフシーズン! 『 F1 LEGENDS THE BEST GP 』
首を長くして待っておりました。やっと始まります。
私は1975年生まれなので、1981年といえばちょうど6歳、義務教育1年生。どのレースがどうだったかといったことまでは覚えていないのですが、はじめてグランプリレースに興味を持ったのがこの1981年頃でした。当時はもちろんテレビ中継なんてものはなく、かろうじてモナコやロングビーチといった有名グランプリだけ、短く編集したものが、それも何ヶ月も遅れて放送されている程度だったそうです。でわ、なぜそんな“マイナースポーツ”に6歳の少年が興味を持ったかということになります。
ウチの親父は『カーグラフィック』誌の愛読者でした。その巻末の方の白黒ページでグランプリのレポートが連載されていました。カタカナの専門用語なんてものは理解できるわけありませんから、ビジュアルから入っていったのだと思います。頻繁に入賞するドライバーであるほど写真が掲載されることも多かったはずなので、そのキャプションに付いているカタカナから、ラウダだのシェクターだのジョーンズだのヴィルヌーブだのタンベイだのプロストだのといった名前を刷り込まれていったのだと思います。
ちょうどこの80年代前半は、ホンダF1の第2期活動が始まり、メキメキと力を付けて、業界最強にのし上がった時期でもあります。ホンダの新聞広告の隅っこにレース結果が載っていたりすると、それさえ貴重な情報になるという時代でした。中嶋悟選手が日本人として初めてF1フルタイム参戦を果たし、フジテレビによる全戦中継、そして鈴鹿サーキットでの日本グランプリが始まるのは、私が12歳になる1987年のことです。
先だって行われたリクエスト投票では、私は次の3つのグランプリに投票しました。
- 81年 モナコGP (投票数トップで無事放送)
優勝は、誰が何と言おうと“私のヒーロー”ジル・ヴィルヌーブ。どこかで、カジノ前をギリギリのドリフトで突っ込んでいく映像を見たような記憶はありますが、レースを見たことはもちろんありませんでした。このレースを見るのが小さい頃からの夢だったといっては大袈裟かもしれませんが、60回以上を数えるモナコGPの中でも5本の指に入る「伝説のレース」だと思います。
- 82年 オーストリアGP (投票数9位でギリギリ採用)
現在は改修されてしまい面影も消えてしまいましたが、当時は世界有数の高速サーキットだったエステルライヒリンクでの一戦です。強烈なターボエンジン、グランドエフェクトが効きまくったマシン、抜きつ抜かれつのオーバーテイクが繰り広げられたレース(だったらしい)です。このコースレイアウトは1987年まで採用されていたので、一度だけ見たことはあるのですが、多重クラッシュでウダウダだった記憶しかなく、あらためて往年の名コースでのレースを味わいたく一票を入れました。
- 82年 イタリアGP (投票数16位で放送されません)
第5戦のベルギーGPでヴィルヌーブが事故死、第12戦のドイツGPではピローニが再起不能の大怪我と、立て続けの不運に見舞われたフェラーリは、地元モンツァでの一戦に、78年のワールドチャンピオンで、その後はアメリカに戻ってインディカーで活躍していたマリオ・アンドレッティを呼びつけます。しかも、このオッサン、いきなり乗ったフェラーリで3位に入っちゃうのですよ。マリオの走る姿は何度も見たことがありますが、マリオがF1で走る姿は一度も見たことがありません。いやぁ、見たかったですよ。なんとか見せてもらえませんかね…。
他にもたくさん見たいレースがあり、選ばれたものもあれば選ばれなかったものもあります。「F1オタク」といたしましては、出来ることならば全て見せてほしいというところですが…。ファン投票の10レースに加えて、解説者推薦の6レースが追加放送されるらしいので、そちらにも期待したいところです。
まぁ、技術的なことを言い出せば、当時のマシンなんてものは、現代のハイテク満載マシンには足下にも及ばないものです。ただしサーキットの安全基準もそれに合わせて低かったことも輪を掛けて、一つ間違えれば確実に命を落としかねない世界でした。高度な技術の一方で、レースそのものは安っぽい「ヤンキーの運動会」と化している現代F1と比較して、当時のF1は「硬派な男による仁義なき戦い」とでもいいましょうか、グランプリレーシングの正しい在り方というものをまざまざと見せつけてくれます。
80年代前半は、旧き良き時代のF1グランプリが飲み込まれ消えていく時期にあたります。無論、時代とともに競技そのものも進化することはモータースポーツの最大の面白味でもありますから、これを否定したりするつもりはありません。終わった時代には帰れないのです。「そんな時代もありました」と溜息でも付きながら見ることにしましょう。














