『人も馬も同じ夢見る一週間』 - 地方競馬ダービーウイーク開催中!
まぁ、企画そのものがおもくそ見切り発車だったり、色々とツッコミどころはあるんだけど、もう既に開幕しちゃってるわけで…
とりあえず、キャッチフレーズとCMだけはカッコいい。
中央競馬と地方競馬。一国二制度の日本の競馬。かつては、サラの東京・日本ダービー、アラの園田・楠賞全日本アラブ優駿、つまり中央競馬と地方競馬にはそれぞれの頂点があった。
日本のアラブ系の馬は、そもそも軍用馬として使うために品種改良されてきたとされる。そのためサラブレッドより気性的に扱いやすく、身体も頑丈で故障しにくい。おまけに生産コストも低く抑えることができる。
戦後、復興のため各地で競馬が企画されるが、厩舎は空っぽで馬が足りない。そこで余った軍用馬=アラ系を調達して走らせた。これが日本の近代競馬のはじまりである。以来、日本の競馬を支えてきたのはまぎれもなくアラブ系の競走馬である。
しかし、折しもバブル景気に突入しようという時代、中央競馬がアラブ系競走を全廃し、アラブ系競走馬の需要は激減した。公営の雄・南関東も追随し、アラブ系を中心としていた地方競馬の競走体系は崩壊を余儀なくされることになる。“アラブのメッカ”と呼ばれた園田競馬でも段階的にサラブレッドが導入されることになった。
10数年、気が付けば、かつてはサラブレッド系と数を分け合っていたアラブ系の年間生産頭数は100頭を割った。産業としてのアラブ系繁殖は、既に終了したといえる。衰退する中で気をはいた近年のアラブ系名馬たちの仔が競馬場へ帰ってくることはない。せいぜい今後はJRAが補助金を付けて絶滅しない程度に“種の保存”が行われる程度のことだろう。
もうアラブ系競走をやろうにも、馬がいないのだからできない。アラブ系のみの体系を最後まで守り続けた福山競馬もとうとう音を上げ、全ての地方競馬場にサラブレッドが導入された。サラブレッドの購入・維持には当然コストがかかる。サラ導入の多大な負担にとどめを刺されるように、廃止の憂き目を見た零細競馬場も片手指に収まらない。
ダービーウィークに施行される6つの地方ダービーは全てサラブレッド系の競走馬で争われる。たとえここを勝って「ダービー馬」の称号を得ても、現実問題たかがしれている。地方のダービー馬も、ごく稀な例を除いて、しょせんは中央に行きそびれた落ちこぼれであり、中央のエリート馬には全く歯が立たない。
地方競馬は昔から中央競馬の二軍だったわけではない。ほんの一昔前まで、地方競馬はアラブ系の頂点だった。そこにわずかながら、地方の優駿の純粋な価値を見いだすことが出来たのである。ところが、アラブ系競走の衰退によって地方競馬は屋台骨がすっぽり抜け落ちた。このまま中央競馬への大きな対立軸を失っている限り「中央競馬の二軍」という虚しい現実はとめどなくつづくことになるだろう。
ちょっぴりでいい。地方競馬が輝いていた時代のことを思い出してほしい。失った時代を取り返すことは出来ないが、再生のヒントくらいは転がっているはずだから。
予想(私の負馬投票券2006)
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