The Derby Week 2007 - 第8回 兵庫ダービー [重賞]
昨年は予想以上の盛り上がりをみせた地方競馬の“ダービーWeek”が、今年はさらにボリュームアップ。連日に渡り全国で熱戦が繰り広げられています。今年のキャッチフレーズは「ダービーを巡る一週間」。去年もそうだったのですが、TVCMのセンスのよさに痺れます。
先週日曜の佐賀競馬場・九州ダービーを皮切りに、昨日は旭川競馬場・北海優駿、今日は大井競馬場・東京ダービーと、既に日程の半分を終了。明日はいよいよマイホームコース、園田競馬場で兵庫ダービーが行われます。
競馬に思い入れのある人にとって、「ダービー」ほど特別な響きを持つ言葉はありません。それがどんな小さな競馬場で行われるダービーであっても、ダービーを前にしたワクワク感に差はありません。ダービーの歴史が競馬の歴史であるといっても過言ではなく、競馬という文化の根付いた世界の国々・地域に「ダービー」の名を冠したレースが存在します。
今年、兵庫ダービーの1着賞金が1000万円に増額されました。この賞金額は、北欧や東欧のナショナルダービーと同規模ないしそれ以上の金額だったりします。1着3000万円の最高額が用意されている東京ダービーに至っては、世界のダービーの中でも高額の部類に入ります。たしかに物価の違いや、運営形態の違い(日本にはブックメーカーがありませんから)こそありますが、地方競馬のダービーは、世界に胸を張れる立派なダービーです。
ダービーは、競馬の世界の1年を締めくくる日であると同時に、新たな1年を迎える1日でもあります。TVCMのキーワードにもなっている「熱闘」。深い砂を力強く蹴り上げる競走馬、追って追って追いまくる豪腕騎手、地方競馬にしかない熱い闘いの先に、素晴らしい未来があるはずです。来年も、再来年も、5年後も、10年後も、地方競馬のダービーが見られることを切に願います。
さて、というわけで、逃げる川原のジョイーレ、食らいつく下原のチャンストウライ、火の出るような激しい叩き合いから早や1年、兵庫ダービーです。前述のように1着賞金が1000万円に増額。アラブの時代にはこれくらいの金額のレースはザラにあったんですけど、サラ系が導入後、ダートグレードレースではない地元馬同士の競走にこんな大金が用意されることは久しくありませんでした。長らく勝負気配から遠ざかっていた馬主、調教師、騎手、皆さんの目が、いつにもまして「真剣」に輝いています。やっぱ競馬はこうでなくちゃ!
2007年6月7日(木) 園田 第10競走 第8回 社台SS協賛 兵庫ダービー [重賞] サラブレッド系3歳 馬齢 ダート(右)1870m 15:55発走 賞金 1着10000 2着2500 3着1200 4着800 5着500 (単位1000円) | |||||
| 枠番 | 馬番 | 本紙 | 馬名 / 性齢・毛色・父母・戦績 | 調教師 | 騎手・斤量 |
1 | 1 | … | 牡3 鹿毛 父 ディアブロ 母 レインボーモナコ 通算 3-0-0-5 園田 3-0-0-4 | (兵庫) | 54.0 |
2 | 2 | … | 牡3 黒鹿毛 父 ブラックタキシード 母 ランズランサー 通算 3-3-2-7 園田 3-3-2-6 | (兵庫) | 54.0 |
3 | 3 | ☆ | 牡3 鹿毛 父 サクラローレル 母 メールブランシュ 通算 4-0-0-5 園田 4-0-0-4 | (兵庫) | 54.0 |
4 | 4 | … | 牡3 栗毛 父 スキャン 母 ラインダンサー 通算 2-1-0-7 園田 1-1-0-7 | (兵庫) | 54.0 |
5 | 5 | … | 牡3 鹿毛 父 パラダイスクリーク 母 キョウワスピカ 通算 2-4-3-8 園田 2-4-2-6 | (兵庫) | 54.0 |
6 | ▲ | 牡3 黒鹿毛 父 トレジャーアイランド 母 クインオブスノー 通算 4-1-0-2 園田 2-1-0-0 | (兵庫) | 54.0 | |
6 | 7 | △ | 牡5 鹿毛 父 リンドシェーバー 母 ノーブルベレーザ 通算 3-1-4-3 園田 3-1-4-2 | (兵庫) | 54.0 |
8 | ◎ | 牡3 鹿毛 父 エアジハード 母 ヒガシタイクーン 通算 3-3-0-2 園田 2-2-0-2 | (兵庫) | 54.0 | |
7 | 9 | … | 牡3 鹿毛 父 アドマイヤボス 母 バコール 通算 1-1-2-6 園田 1-1-2-5 | (兵庫) | 54.0 |
10 | … | 牡3 栗毛 父 キングヘイロー 母 ツサンデンガイヤ 通算 4-3-3-4 園田 3-2-2-4 | (兵庫) | 54.0 | |
8 | 11 | × | 牝3 鹿毛 父 アサティス 母 アイラブユーモア 通算 2-3-2-3 園田 2-3-2-2 | (兵庫) | 53.0 |
12 | ○ | 牡3 黒鹿毛 父 ディアブロ 母 ミズサワスキヤネン 通算 3-1-1-2 園田 3-1-1-1 | (兵庫) | 54.0 | |
JRAのダービーは戦後初となる牝馬の優勝に沸きましたが、ここにも紅一点、前走の兵庫チャンピオンシップ(JPN2)で地元馬最先着を果たしたエンタノメガミが参戦してきました。昨年、僅差惜敗の苦渋を舐めた川原も、雪辱に燃えています。絶好の外枠を引き当てましたし、チャンスは十分にあるでしょう。
私の◎はユキノアラシ。昨年の大スランプを脱し、今年ここまでリーディングトップに付けている田中学Jが騎乗します。
このダービーとは関係ないところでの話ですが、本当に昨年は苦しかったんですってね。小牧Jが出て行った直後の岩田Jにもちょっと気が抜けてしまったような時期があったように、田中Jにとっても、あれはある意味、必要なスランプだったのかもしれません。偉大な父を持ち、ジョッキーを志す過程でも紆余曲折があった田中J。いい意味でも悪い意味でも、勝負師に徹することの厳しさと難しさを知っているジョッキーだけに、それがプレッシャーにもなったのでしょう。
スランプの最中は「アホ、アホと野次られると、ほんまに俺はアホやなと思ってしまった」と言います。そして無気力騎乗で騎乗停止処分を受けてしまいました。父であり先輩であり師匠でもある田中道夫先生は、「悪いときは何をやっても裏目。流れが変わるまで待て。」とアドバイスをしたそうです。先生をはじめとする関係者の助けもあり、「野次は期待と愛情の裏返し。」と前向きな姿勢を取り戻すことができたそうです。
田中学、その実力と才能には疑いの余地がありません。ただ、それに気負うと力を出し切れなかった。今年の田中Jは違います。自分の仕事に没頭している感じが傍目にもくっきり見てとれます。長かった1年。雌伏の時期からコンビを組むユキノアラシで、一気にダービー制覇といきましょう。
対抗は大外12番枠のマイシスドリーム。ユキノアラシが勝った菊水賞で1番人気になったのはこの馬でした。名古屋からゲスト参戦の岡部誠Jがテン乗りして9着に敗れたんですが、巨漢馬なんで、暑くなるにつれてぐんぐん状態が上向いてくるはずです。
以下、リヴァーフィールド、ホクセツファミリー、エンタノメガミ、フセノオーといったところが有力とみています。ここでは無印としますが、ゴールデンウィーク号には金沢の吉原寛人騎手が騎乗します。残念ながら今年のダービーWeek諸競走に金沢競馬からの出走馬はいませんでしたが、吉原騎手が兵庫ダービーに騎乗することで、全国の競馬場の騎手がダービーWeekに参加したことになります。なんか一発やらかしそうな空気です。












