ミナルディは永遠に偉大なり!

もう10日も前のことになりますが、イタリアGPのセバスチャン・ベッテル(STR・フェラーリ)の優勝には、胸が熱くなりました。今シーズンのF1は、フェラーリは詰めが甘いし、ホンダはふがいないし、なんかもう惰性で観戦してるような感じだったんですけど、辛気臭い空気を全部ぶっ飛ばしてくれるような出来事でした。

なんつっても、元はミナルディですからね。前オーナーのポール・ストッダート氏が、新オーナーのディートリッヒ・マテシッツ氏にチーム株式を売却する際の条件は「イタリアを拠点とすること」と「スタッフの雇用を保障すること」の2つ。“Minardi Team”から“Scuderia Toro Rosso”へと看板が変わって3シーズン目になりますが、レッドブルはちゃんと約束を守ってくれて、ファクトリーの作業員、ロジスティックの担当者、そして現場のメカニックたち、大方7割くらいはミナルディから生え抜きの人たちが頑張っているそうです。

私も、ちょっと古い話になりますが(FSWには意地でも行きませんので)、2006年の日本GP、木曜のピットウォークで、トロロッソのピット前を横切ったのですが、ミナルディ時代と変わらぬ明るさ、いやお金があるだけにミナルディ時代よりさらに明るくなったような気さえするほどでした。決してトップチームではないけれど、彼らのレースへの情熱は、フェラーリやマクラーレンに勝るとも劣りません。レッドブルの会社柄、そして共同オーナーとなったゲルハルト・ベルガー氏の人柄、ほんと「いい人たちに買ってもらえたなー」と思います。

この偉大なるチームを創設したジャンカルロ・ミナルディ氏はもちろん、ジャンカルロとともにF1に闘志を燃やすも病に倒れこの世を去ったガブリエル・ルーミ氏、どんなに苦しい状況でも諦めずにアタックしつづけた歴代ドライバー、少ない予算を創意工夫でカバーしたエンジニア、どんなに忙しくてもランチタイムだけはちゃっかり確保するメカニック、パドックで美味しいパスタを振る舞ったコックさん、そして純粋にモーターレーシングを愛しているファン、みんなが素直に「おめでとう」と讃えてくれる───こんなチームは他にはちょっとありません。

小さな小さなチームなのに、とてつもなくたくさんの人に幸せを提供してくれる、それがミナルディのいいところ。その家族的集団の良き雰囲気を受け継ぎ、ジョークとウィットにも富んだ戦闘集団を作り上げた、それがトロロッソというチームのいいところだと思います。「魂」と「愛」と「良心」しかない弱小でも、悲観したり、投げ槍になったりすることは決してない、その前向きで気取らない格好良さがレースファンのハートを鷲づかみにしてくれます。

やっぱりミナルディ!

ってことで、ちょろちょろとネットサーフィンしてましたら、面白そうな本を見つけました。F1を題材にした書籍は山ほどあれど、ミナルディが主役の本は広い広い世界でこれ一冊のみ(ではないだろうか)

Forza Minardi!: The Inside Story of the Little Team Which Took on the Giants of F1

Forza Minardi!: The Inside Story of the Little Team Which Took on the Giants of F1

表紙はなんとミナルディ・ハートM197を駆る片山右京!

「どうせ作るんやったら、表紙は“ミスター・ミナルディ”ことピエルルイジ・マルティニちゃうんかい!」と全世界のミナルディマニアが一斉にツッコミを入れてそうな気するのですが、そこはご愛敬。右京選手も立派なミナルディドライバー。モナコの予選でトゥルーリに勝ったんやで! まぁ、ミナルディといえば、有望な若手ドライバーを多く輩出したことで知られるチームですが、右京選手の他にも、マルティニ、アルボレートなどのベテランドライバーがきっちり脇を固めて、渋みにも抜かりのないチームでもありました。

敢えて大衆の期待を裏切って右京選手を表紙にするのは、編集者のセンスの賜物か、あるいは編集者がマルティニを知らなかったのか、はてまた日本のお客さんが買い込むことを期待しただけなのか、そのへんは中身を読んでからのお楽しみです。

英語の苦手な人にはキツいかもしれませんが、「読書の秋」ですし、勉強がてら辞書片手に読んでみてはいかがでしょうか。ミナルディを知っている方はもちろん、ミナルディを知らない方も、壮絶なのに愉快、弱小なのに偉大、「F1界の最後の良心」として世界中のF1ファンから愛されてやまないミナルディチームの歴史と戦譜を再認識できるはずです。


追記

とまぁ、固くなりつつある脳味噌を揉みほぐすかのように英語と格闘して2日目なんですが…

この本の表紙って、1997年の、どこのグランプリのものか分かりますか? 場所については記載がないもので、気になって、気になって。

路面濡れてる、ウェットタイヤ、ランオフエリアは舗装、空力セットは重め…というあたりで、モナコGPの写真かなと思ったんですが、モンテカルロで左にターンイン、縁石が白一色、そんなコーナーは無いような気もします。サイドポンツーンのスポンサーはマルケスの持ち込みのような気がするんで、後半戦のどこかで撮ったものかなぁ…。あの空力で走るサーキットって、後半戦にはハンガロリンクくらいしかないですよね。それ以外で考えられるのは、雨の記憶がないんですが、エストリル、ニュルブルグリング、ヘレスあたりでしょうか。

どんなもんでしょう? 「いや違う!」と仰る方がおられましたら、正解をお教え下さい。オタクとして、すごく尊敬しますんで(笑)

『F1 MODELiNG』誌が復活! | メイン | GhostscriptでPDFを画像に変換(PDF2PNG)

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