『幼獣マメシバ』 劇場版DVD・TVドラマ版DVD-BOX
待ちに待ったDVD化! 10月23日発売です。早速、予約してきました。
去年の秋、21年連れ添った柴犬を亡くしてションボリしてたところ、年明けに、実家の近所で柴犬を飼っている方から教えてもらって、第2話からこのドラマを見始めました。柴犬なのは間違いないんだけど、「こんな柴犬、見たことない!」。敢えて形容するなら“チンチクリン”という表現がピッタリはまる一郎ちゃんに、みるみる引き込まれてしまいました。
うち(一応住所は大阪なんだけどねぇ…)のエリアではKBS京都はアナログ放送しか映らず、地上デジタル波がかろうじて拾えるサンテレビも電波のご機嫌次第という有り様。4月から6月にかけて再放送があったので第1話から録画するぞと意気込むも、サンテレビの再放送では一部(主題歌や予告)がカットされていたのでガッカリ。ひたすらDVD化を待っていました。欲を言えば、ソースはHD制作のようなのでBlu-rayで出して欲しかった気もするのですが、贅沢は言えませんか、そうですか…。
ということで、この『幼獣マメシバ』。主人公の佐藤二朗さんが演じる芝二郎は、家から半径3キロ圏外に出たことがない35歳のニート。とてつもなく重いテーマを扱っている物語なのに、随所に笑いが散りばめられていて後味がすこぶるいいんです。その理由は二郎のセリフに中に見つけることができます。
「うちのバカ犬なんかより全然いい」
「そこまで犬に夢中じゃないのよ!」
「食欲がないとかなくてお前はいいよな」
「ボクのようにベタベタしないクールな飼い主もいるがね」
こういう、ある種の「憎まれ口」が次々と飛び出します。それが醸し出すのは、ただ「かわいい」ではない、ナントモいえぬ犬と人間の距離感です。一見、距離を置いているようなんだけど、実はそうじゃない。これは柴犬だから出るリアリティ。同じ台本でチワワやダックスフントを使ったら表現できないリアリティなんです。うまく言えないんだけど、日本犬を飼ったことのある人にはよく分かる感覚だと思います。人間と犬の距離感に強いリアリティがあるおかげで、重いテーマを重く感じさせない。そこに、この『幼獣マメシバ』の作品としての秀逸さが光っているのだと思います。
さらに言えば、『幼獣マメシバ』のオリジナリティとして、この手の“動物モノ”にありがちな「動物の擬人化」を極力排除している点が挙げられます。ドラマ版では毎回、次回予告の最後で一郎の映像に二郎の台詞が乗っかるのですが、これがぴったりハマるんです。ずばり二郎が柴犬、つまり「人間を擬犬化」してみることができるのです。これまた、うまく言えないんですけど、人間が柴犬の前でクールで振る舞うように、柴犬もまた人間の前ではクールに振る舞い、互いに憎まれ口を叩きつつも、それによって1対1コミュニケーションが形成される関係とでも言えばいいのでしょうか。柴犬を飼ったことがある人にならお分かりいただけるかと思います。
っと、極力ネタバレをせずに作品の魅力を語るというのは難しいものです。「ローカルU局の30分ドラマ」、「ドラマのオマケで作った映画」と侮ることなかれ。むしろ丹念に作品性の向上に集中できるローカルU局だからこそ作り込むことができた濃い作品です。なにわともあれ百聞は一見に如かずです。
劇場版は、ドラマの続きだろうと思っていましたが、TVドラマ版と繋がるエピソードが一部あるものの、位置づけとしてはパラレルワールド。時間的な制約もあるためか、各人物(犬含む)のキャラクターが濃く色付けされており、ドラマのイメージで入っていくと面食らいます。そして予想外なオチが待っています。さりげなく主題歌にオチのヒントがあったりします。
また、DVD化に先駆けて『幼獣マメシバ』の原作本が出版されています。文字で読んでも、暗さのない明るい物語なんですが、淡々と筋書きだけを追いかけることになる分、重さは格段に増します。中年ニートという社会問題を取り上げた作品ではありますが、原作者の問いかけは、普通に生きているつもりの私たち一人一人に向けられています。誰もが「殻」を持ち、毎日その「殻」の中で生きているのですから。















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