『馬の瞳を見つめて』

馬の瞳を見つめて

競走馬の最期について、考えさせてくれる一冊です。

私自身、馬主になって4年目になるわけですが、その期間の長い・短いにかかわらず、競走馬の処分は避けて通ることの出来ない問題です。

私は、馬主になるまで、馬という動物と、まともに触れあったことはありませんでした。馬って、ほんと可愛いんですよ。臆病な動物なので、たとえオーナーであっても心はなかなかゆるしてくれないんです。でも、普段の面倒を見て下さっている調教師・厩務員・騎手の前では甘えて、じゃれついてくる。馬の一生、面倒を見てやれるものなら見てやりたいんです。

でもそれは不可能なんです。そこには経済的な理由があることも否定しません。私自身、こういう世界に参入する以上、割り切っているつもりです。綺麗事を言えばキリがないとさえ思っています。実際、私も何頭かの愛馬を手放してきました。彼らがどこへ運ばれていったのか、具体的な場所こそ分かりませんが、どういう末路を辿ったのか大方の察しは付きます。

事情を知らない人からは“動物虐待”だと後ろ指をさされるかもしれません。しかし、悪いことをしているつもりは全くありません。ただ、当事者となったことで見えてきたものがあります。「これでいいのだろうか」と思うことはあります。

そんなときに、知り合いの方から勧めていただいたのが、『馬の瞳を見つめて』という本でした。


日本では、年間約8000頭の競走馬が生産されます。全ての馬が競馬場の檜舞台に立てるわけではありません。また競走馬としてデビューできた暁にも、能力不足や故障による淘汰が待ち受けています。競走馬を生産する農家の方々は馬を売って生計を立て、それを原資としてより資質の高い馬の生産が行われることによって、馬産地の経済は回っています。

デビュー前の競走馬一頭にかかる種付け料を除く原価は約300万円といわれますが、私の持ち馬の半分は、買い手がなく売れ残った馬を200万円台で譲ってもらったものです。残りの半分は中央競馬等で頭打ちになって都落ちしてきた馬です。

私が買った馬の中には、私が買わなかったら競走馬にはなれないという切迫した事情を持っていた馬もいます。華やかな中央競馬と違い、地方競馬の下級条件で走っている馬なんて、言葉は悪いけど「そんなもん」です。私が買わなければ、誰かが買ったかもしれません。しかし、誰も買わなければ、これらの馬は殺処分されることになっていたはずです。

中央競馬から地方競馬へと流れ着く馬はたくさんいますが、地方競馬で頭打ちになったときに差し伸べられる救いの手は殆どありませんから、処分を猶予されているに過ぎません。元々は中央の馬主さんが買った馬なのに、最期の決断を下すのは私たち地方競馬の関係者です。別に中央の馬主さんを悪く言うわけではありませんが、手を汚す仕事だけを地方に押し付けられているように感じるケースがあることも事実です。そんなときは、やりきれない思いが何倍にも膨らみます。

中1週・月2走のペースで使い続けて、ときどき雀の涙のような賞金をくわえてきてくれるけど、預託料と進上金などの諸経費を差っ引くと、黒字の月より赤字の月の方が多いというのが現実です。その中から、馬の引退後の余生にかかる経費を捻出することは不可能です。

競馬ファンの中には、「走れなくなったらポイ捨て」のように思われている方がたくさんおられます。でも、それは違います。「走っている間は生きていられる世界」なのです。優しい気持ちだけでは解決できない現実との葛藤があります。

馬がいて、はじめて競馬が出来ます。個性豊かな馬の競演によって、競馬は盛り上がり、馬券が売れます。新しい馬が入ってこなければ、競馬を続けることはできません。競馬を続けるためには、馬を作る人がいなければなりません。馬を作る人は、馬を買う人に支えられています。この経済のサイクルがある限り、選別と淘汰もまた競馬の一部なのです。

全ての馬を生かしてあげることはできません。新しい馬を買うためには、古くなった馬は処分せざるを得ません。一頭の馬を繋養するには、馬房、厩務員、放牧地、エサ、寝藁、予防接種などなどの設備、人手、費用がかかります。犬や猫のように飼えるものでは決してありません。

馬を殺さずにやっていく方法は、現実的には存在しません。けれども、生かすための努力ならできます。この世に生を受けたサラブレッドを、1頭でも多く競走馬としてデビューさせてやり、1日でも長く競走馬として生かしてあげることです。少なくとも私の所有する馬については、常日頃そう思い走らせています。

華やかに彩られた競馬場。その場末で行われる命の選別作業。一部のファンによる心ない偏見の視線。一口に「エコノミックアニマル」と吐き捨てるのは簡単です。しかし、当事者は葛藤に苛まれているのです。裏方よりさらにずっと向こう側のお話ではあるけれど、決して無関心ではいられない世界があるということ。綺麗事では済まされない問題があるということ。

私自身、答えは見つけられません。本書の中にも、その答えはありませんでした。これからも葛藤を繰り返しながら携わっていくのだと思います。考えさせられることの多い一冊でした。

極めて不可解な裁決

映像を何回みても納得できないんですよね…。

第1位に入線した5番ロリンザーユーザー号(秋山 真一郎騎手)は、4コーナーで内側に斜行し、4番ヒシアスペン号(池添 謙一騎手)の走行を妨害したため、第12着に降着となりました。なお、秋山 真一郎騎手は7月5日(土)から7月13日(日)まで騎乗停止となりました(開催日4日間)。

一応、お断りしておきますが、馬券は2番手入線のアグネスマクシマムを軸にしていたので、3番人気のロリンザーユーザーが降着になって、4番人気のストームタイガーが繰り上がることになり、配当的には美味しい思いをさせていただきました。外れたからBOOたれてるわけではございません。

テレビアングルの映像と、直線正面からのパトロール映像しか見ていないわけですが、ロリンザーユーザー(秋山)は4コーナーで逃げるヒシアスペン(池添)の外から被せるように回っています。このとき、秋山騎手は左鞭を使っています。しかし、内ラチに一頭分のスペースは残しているように見えなくもありません。コーナーの中では併走状態ですから、前に出て進路を塞いだわけでもありません。むしろ直線入口の映像を見れば、コーナーを回りきれず膨らんだヒシアスペンが、ロリンザーユーザーを外へ弾き飛ばしているようにさえ見えます。曲がりきれず内ラチから外に飛んで出た逃げ馬と、その逃げ馬を外から交わしていった馬、危ないのは明らかに前者です。

違う見方もできます。ヒシアスペンはハナを切って先頭でレースを進めていました。飛ばしてタレてしまったから、後続に追いつかれているのです。もちろん二の足を繰り出すべく溜めていたともいえるわけですが、ヒシアスペンにそんな脚が残っていなかったことは、同馬がロリンザーユーザー2秒6遅れの12番手で入線していることからも明白です。秋山騎手に左鞭を用いた過失があったとして、それが果たして着順を変更する事由とまでなりうるのかという疑問は拭いきれません。

制裁には、事故を防止するという予防・抑止の側面があるにしても、このケースにおいて、ロリンザーユーザーと秋山騎手に降着の裁決を下すのは無理があると言わざるを得ません。

ちなみに、被害馬に騎乗していたのは池添騎手。過去の出来事と今日の出来事をごっちゃに論じるつもりはありませんが、オークスでのトールポピー(池添)の大斜行と、失格馬・降着馬はなし、騎手には騎乗停止2日間という、曖昧かつ不可解な裁定は記憶に新しいところです。JRAからは、池添騎手の御法は危険極まりなかったが、それがレースの着順に影響を与えたとは認められないという、なんとも苦しい弁解が為されました。

オークスの前例を持ち出すまでもなく、今日のレースも同様ではないでしょうか。ロリンザーユーザーがヒシアスペンの進路を妨害しているようにも見えるが、両馬のニアミスがなかったとしても、ヒシアスペンがロリンザーユーザーに先着できたとは考えられないこと。また後続の他馬には何ら影響を与えていないこと。むしろ、ヒシアスペンが外側へ逃避したことの方が、他馬への影響は甚大であったこと。総合的に勘案すれば、着順を変更せず、危険回避を行わなかった騎手に対して相応なペナルティを発動するだけでよかったのではないでしょうか。審議はゴール後に行うのですから、だからこそあらゆる可能性を考慮することができたはずなのです。

オークスのレース後、JRAはマスコミ関係者を集め説明会を行うも紛糾、また馬券を購入したファンからも相当数にのぼる抗議・質問のメールが寄せられたとかで、『走行妨害および制裁について』と題したWebページが制作・公開されました。JRAはファンに一定の裁決基準を示したかったのではないのでしょうか。しかし今日の裁決は、その基準が何なのか、ますます謎を深めるものとしかなりませんでした。邪推が飛び交うのも、ひとえにJRAの説明義務怠慢によるものなのですから。

“そもそも論”に立ち返れば、競馬主催者が審判を兼任しているという状態に問題があります。主催者の意向が審判に反映されているという疑義は根強いものがあります。もちろん、JRAは「だからといって不正はしていない」と言うでしょう。しかし、そこに不正があるかないかは問題ではありません。不正ができることが問題なのです。主催者と審判は、それぞれが独立して事に当たることができるように、枠組みを変えるべきだと思います。

降着という制度は、馬主や調教師にとっては、理に適った便利で公平な制度なのかもしれません。しかし、競馬ファンにとっては極めて理不尽な制度です。予想をし、馬券を購入するにあたって、「馬が斜めに走るかどうか」などと考える人はいないでしょう。考えたところで、馬が斜行するかどうかなんて予想のしようがありません。賞金も手当も元を辿ればファンの投資あってのもの。なのに、ファンが関係者の利害調整の尻ぬぐいをさせられているのでは本末転倒もいいところです。

JRAは、裁決について満足に説明すらできないのであれば馬券を買い戻すべきです。それこそJRAが金科玉条とする「公正」なのではないでしょうか。

岩田、涙のウイニングラン

そのままーっ!!!!

ゴール前は大興奮やった。

経済コースから抜け出した岩田のアドマイヤムーンをめぐって、あっと驚く好位付けから粘るペリエのポップロック、外を回ってジリジリと伸びてくる武豊のメイショウサムソン、さらに後ろから切れ味鋭く四位のウオッカが追ってくる。

際どい勝負に、大観衆の競馬場が一瞬静かになった。ターフビジョンに映し出されたリプレーを見た岩田が勝利を確信。左の拳を握り、馬上で吠えた。全ての感情が凝縮された叫び。重圧と呪縛から解き放たれた瞬間の、言葉にならないけれど言葉より濃密なその叫び。

まだまだ、この国の競馬関係者の中には、地方出身というだけで偏見を持つ奴も少なくない。いわれのない陰口を叩く奴もおった。予想の方で書いたんやけど、「府中で勝てない」と囁かれ、それをすんごい気にしてた。

せやけど、味方もおった。園田を飛び出して約1年半。色んな人が岩田を助けてくれた。そして何より、岩田自身が努力した。得られるものは貪欲に、ときには自身のスタイルを崩すことも厭わず、どんな仕事も一生懸命にこなした。アドマイヤムーンとの出会いはその賜物であった。

「府中でウイニングランをしたい」

かつて小牧太の中央移籍が決まったとき、ラジオ番組のゲストとして出演し、こう語っていた。

才能…、努力…、腕のある者が頂点を目指す。中央だろうが地方だろうが騎手は騎手なのだ。ところが、この国の競馬は、その当たり前が通用しない。地方競馬にとっては世界より遠い中央競馬なのである。

小牧の背中を追って中央を目指した岩田。彼は今日、彼なりの筋道で、閉塞されつづけた殻を破ってみせた。

20071125.jpg

秋の夕焼けのウイニングラン。

かっこよかったなぁ。しびれたなぁ。

馬上の岩田は泣いとった。俺も目頭が熱うなった。

磨けば磨くほど光る原石。岩田康誠はまだまだ未完成だ。

ギャンブルであるからこそスポーツにもまして透明性が求められる

中央競馬と地方競馬では出馬投票のやり方が若干異なるものの、出馬表が確定したあとで出走を取り止める方法ほぼ同じ手順を経なければならない。

出走取消ができるのは、調教師の申告に基づいて、獣医が診断し、主催者がこれを認めたときに限られる。獣医が診断した場合でも、伝染性の疾病でなければ、疾病そのものは取消の正当な事由とはならない。つまり「風邪気味なんで…」とか「筋肉痛のようで…」と申告するだけ取消すことは認められないのである。

では、主催者は何を基準に取消の可否を判断しているのか。それは投薬の有無なのである。主催者からは取消事由として「疾病」や「故障」と発表されていても、骨折や脱臼のように物理的に出走が不可能になって場合を除く全ての取消は、投薬の有無によって決められたものである。

かすり傷の止血に油を塗り込んだ程度なら問題にならないこともあるが、獣医が咳止めや痛み止めを処方した馬は例外なく出走を取消さねばならなくなる。治療に用いる薬品の中には「禁止薬物」として法律で定められた成分が含まれていることもあるし、そうでなくても競走能力への影響が否定できない以上、競馬に出走させてはならないからである。

出馬表が確定する前に投薬した場合でも、その薬効が馬体内から排出されていない限り同様である。軽い熱発を発症した馬が、体温が下がってもすぐにレースに使えないのは、馬の体調への配慮もあるが、薬が体内に残留しているからというのが第一の理由である。

これが、馬券売上確保とか八百長防止とかの観点も含んだ日本の出走取消のルールである。日本の競馬はスポーツである以前にギャンブルであるから、こういうところだけは世界の競馬先進国の中で最も厳しいルールが用意されているのだ。欧米、特にヨーロッパの場合、馬場が柔らかいので走らせたくないと調教師が申告するだけで取消が認められるなど、投薬の有無に関わらず容易に出走を取り消すことができる。ゲートまで行きながら発馬機に入らず引き返す馬もいる。


池江調教師は「管理の不手際については調教師が全責任を負う」といった。JRAは「誤って摂取してしまったものだから仕方ない。故意はなかった」と調教師を弁護した。本当にそれでいいのか。

誤って摂取させたことが問題なのではなく、レースが迫っている中で投薬し、体内に薬物を残留させたまま出走させたことが問題なのだ。故意であれなかれ、馬体内に薬物が残留した馬を出走させてしまったのは事実なのだ。

日本では、体内に薬品が残留している可能性がある馬を出馬する際には「プレレーステスト」という任意の検査を受けることができる。この検査は、ドーピングに対する認識が高いフランスにも当然ある。事前に薬品が残留していないか検査する手段があるわけだが、それを受けないままに出走させたこと、それを「過失」と言い切ってしまうことはあまりに無理がある。

薬品が競走能力に影響を与えたか。特に今回問題になったイプラトロピウムに関しては薬学の専門家ではないので分からない。ただ、ディープインパクトが馬体内に薬物を蓄えたまま競走に出たということは確かであり、それがフランスでは禁止薬物に指定されていたということも確かなのである。

もしも、ディープインパクトの馬体内からイプラトロピウムが排出されていて、同馬が凱旋門賞のパドックで咳き込んでいたら…。ディープインパクトに賭けた人・賭けるつもりだった人の何割かは、確実に別の馬に賭けていただろう。金を賭けるとき、故意だったかどうかとか、ドーピングをしていたかどうかなんてのは二の次なのである。

ディープインパクトはレースに出てはいけない状態だったのである。投薬の有無を問わないフランスの基準のみならず、投薬の有無を問う日本の基準に照らし合わせても、つまるところ薬効が否定できない状態で馬を出走させてはならないのである。それでも出走させたのは、関係者の功名心という他あるまい。

プレテストを受検しなかったこと、出走を取り消さなかったこと、これらを過失で片付けるのは強引すぎる。にもかかわらず、JRAは調教師にも馬にも処分を下さなかった。「過失」を強調し、出走させてはいけない馬を出走させた責任は全く問わないという姿勢を貫くつもりのようだ。もっともらしく「二重処分をさけるため」という理由を付けているが、本質的には「外国で起きたことなので感知しない」という立場にしか映らない。これでは、まるで誰かが書いた台本があって、いつの間にか「故意かどうか」の問題にすり替えて雲霧消散を図っているとの印象が拭えない。

昨日も書いたが、競馬は、野生動物が好き勝手に走る性質のものではない。人為的に生産・繁殖された動物を、人間が購入し、人間が調教して、人間が跨って走らせる。サラブレッドはしょせん人間の所有物・専有物、博打の駒にすぎない。競馬とは、経済動物の競走なのである。不祥事の責任は人間が負い、経済動物は無条件に連帯責任を負うのが筋である。「馬に責任はない」という言い方は、人間が適当に見繕った言い逃れ、詭弁なのである。

凱旋門賞という国際競走で禁止薬物が検出された馬が、何食わぬ顔でジャパンカップという国際競争に出てくる。JRAが「日本では禁止されていない」という以上、日本ではイプラトロピウムを使用してもよいという解釈が成立している。咳き込んで絶不調の馬にイプラトロピウムを摂取させ、薬効で見た目はさも絶好調であるかのように装い、出走させることができるのだ。外から見ても馬がどんな薬を服用しているかなんて絶対に分かりっこない。

こんな駒に金を掛ける。これが「公正競馬」と言えるのだろうか。不公正であることの証明など必要ない。公正であることが証明できないものは全て不公正だからだ。

馬券を買うという行為は賭博行為である。賭博は公正に開帳されなければ成立しない。日本の競馬は、馬券が売れなければ賞金も出せない。賞金が出なければ馬産業は衰退する。ディープインパクトという駒がこの世に生まれ出られたのも、つまるところ馬券を買い続けてきた幾多の人々のおかげである。

ギャンブルであるからこそ、スポーツにもまして透明性が求められるのである。昨年来のディープインパクトを巡る一連のフィーバーは、この肝心なところが置き去りになっていた。「英雄」だの「空飛ぶ」だのキャッチフレーズを捻り出して、銅像を建て、気球を飛ばし、公正競馬を求めるギャンブラーを積極的に疎んじ排除に努めていた。禁止薬物の検出を受けた今般の騒動でも、この置き去りが解消されることはなかった。

馬券の売上がなければ成り立たない一種の馬券依存状態を維持したまま、賭博性を排除した不公正競馬を並立させようなど不可能なのだ。公正競馬を回復しない限り、煽ったところで、日本の競馬は全く成長しない。

もはやディープインパクトが日本の競馬に遺したもの、それは汚点というには小さすぎる巨大なクレーター、「不公正競馬の疑惑」でしかない。不公正の代償、馬券の売上額は既に下がり始めている。不公正競馬をもてはやした者には、浮かれた祭りの後片づけをしっかりとやっていただきたいものである。

クスリ漬けでもお咎めなしの中央競馬について

はっきり言うとくで。博打っちゅうのは、誰かがイカサマしてると思われた時点でお終いや。胴元が特定の駒をプッシュする。その駒が勝つように闇でシャブ公認。情報は隠す。バレても言い逃れ。こんなふざけた賭場に誰が張るねん。

どうせ、皐月賞もダービーも神戸新聞杯も菊花賞も有馬記念も阪神大賞典も天皇賞も宝塚記念も、薬品のおかげで勝ったんやろ。NHKスペシャルでも言うてたやん、「ディープインパクトは他の馬より早く息が入る」って。

こういうカラクリがあったと聞いても驚かん。それくらい日本の競馬にはイカサマが横行してるというこっちゃ。イカサマの賭場に銭賭けるんはサクラだけ。「汚点」というた理事長、さすが親玉、よう分かっとる。

ディープインパクトの薬物検出事案に対するフランスギャロによる処分の決定について

フランスギャロとJRAの共同調査の結果は次のとおりでした。

  1. ディープインパクトの診療のためにフランスに出張していた日本人獣医師は、ディープインパクトの担当きゅう務員から「ディープインパクトが9月13日(水)ロンシャン競馬場での調教後に咳をし始めた」と聞いたため、フランスでの滞在きゅう舎担当のフランス人獣医師に相談をし、吸入治療を推奨された。
  2. 日本人獣医師の要望で9月21日(木)からディープインパクトに吸入治療を行うこととなり、日本人獣医師はフランス人獣医師の処方により吸入治療に必要な薬品「イプラトロピウム」を薬局で購入した。
  3. 日本人獣医師は、9月21日(木)~9月25日(月)の5日間、フランス人獣医師から借りた吸入器を用い、担当きゅう務員の手を借りてディープインパクトに吸入治療を行った。
  4. ディープインパクトの関係者およびフランス人関係者は、ディープインパクトがイプラトロピウムを第三者から不正投与され得る状況にはなかったと申立を行った。
  5. このようにイプラトロピウム陽性の原因が特定されない状況の中で、池江泰郎調教師は、日本人獣医師と担当きゅう務員から「5日間の吸入治療中、ディープインパクトが暴れた際にディープインパクトに装着したマスクから容器が外れ、霧状化したイプラトロピウムが馬房床に噴霧したことが、2回あった。」と薬物検出後に報告を受けた。
  6. 池江泰郎調教師は、吸入治療を行った際に馬房床に噴霧したイプラトロピウムが、敷料や乾草に付着して競走当日まで馬房に残り、ディープインパクトが競走の前日から当日の間にそれを摂取した可能性があると申立を行った。
  7. 以上の状況から、ディープインパクトの検体からイプラトロピウムが検出された原因は明確には特定されなかったが、池江泰郎調教師は、9月21日から9月25日までにディープインパクトに対して行われた吸入治療において、ディープインパクトが暴れた際に馬房内に飛散したイプラトロピウムが敷料や乾草に付着したにも拘わらず、それら敷料、乾草を入れ替えずに放置し、競走前日から当日の間にディープインパクトがそれを摂取したことにより尿検体が陽性となった可能性があり、その不注意の全ての責任は自身にあると申立を行った。よって、ディープインパクトの管理責任者である池江泰郎調教師は、禁止薬物事案を未然に防止すべき調教師としての責務を十分に果たさず、その結果、凱旋門賞に出走したディープインパクトの尿検体から禁止薬物が検出されたことについて、調教師としての規律違反があったものと判断された。

とりあえず、こんな説明を聞いて納得する奴がおるとしたら、筋金入りのアホくらいのもんやぞ。説明聞いても、ツッコミの入れどころ満載で、むしろ余計に怪しさ満開。

【疑義1】 薬品使用はオファーではなくリクエストだったのではないか?

要するに、フランスの法律では、日本から帯同した獣医が現地で治療行為を行うことが禁止されているので、建前として現地の獣医に診断と処方をやらせた。薬品名は帯同した日本の獣医からリクエストしたということやな。獣医なり厩舎スタッフなり、こっちの人間には、その薬品について予備知識があった。常習しとったというこっちゃ。そうとしか読みとれんぞ。まぁ、違法スレスレやけど脱法も合法や。「国内では禁止されていない」などと強調しとったんは、そういうことなんやな。

【疑義2】 飛散した薬品が気化せずに馬房内に残ることが有り得るのか?
  

マスクが外れて床に誤噴射したというのが事実だとしても、体内残存期間から逆算すると、多く見てもレース前の48時間以内に摂取していなければならないわけだが、錠剤や顆粒剤とは違い吸入治療に使う霧状で蒸散しやすい性質を持つ薬品が、長期間にわたって馬房内に残留することは考えにくい。残っていたとして、検査で発見されるほどの量を摂取できたとは思えない。第一、馬房は定期的に清掃しているはずだ。飼料に紛れ込んだ可能性もあるだろうが、飼い葉桶は使うたびに洗浄しているだずだ。それとも、池江厩舎は掃除も洗い物もしない主義なのか。

【疑義3】 関係者を処分しないのか?

ディープインパクトはジャパンカップに出走するつもりらしいが、フランスで罰せられたから日本ではお咎めなしとは、いかがなものか。野生動物が野原を走るのとは訳が違う。人為的に配合された経済動物を人間が育て、人間が走らせる。「馬に責任はない」とか詭弁も甚だしい。人間も馬もきっちり責任を取らんでどうする。そのかどでフランスにて失格処分を食らい、そのジャッジメントを受け入れたくせに、何食わぬ顔で国内で出走できるときた日にゃ、それこそダブルスタンダードやないか。

最初のうちは「ルールの違いに対する認識不足」とか言うて、中には「毒を盛られた」みたいなこと言うとる奴もおったけど、今日になってちゃっかりと、日本から連れて行った獣医が登場、これまたあちこちでよう動き回っとったことが分かる。厩舎ぐるみの確信犯やろ。しょうもないエクスキューズを与うる余地なし。

しかも、JRAの姿勢からは、真相をわざと遠ざけようという意志がはたらいてるようにしか思えん。まるで他人ごと、まだ被害者の感覚でおるんちゃうか。

元々、この馬に関していえば、JRAがレース前にCM作る、気球飛ばす、銅像建てる、新種馬券のサンプルに名前使うなどなど、本来は公平・中立でなければならない胴元の責任を放棄してきたという経緯があった。胴元が特定の駒をプッシュする、これだけでも立派なイカサマやと、口が酸っぱなるほど言うてきたのに、そこに輪を掛けて、特定の駒に薬物が投与されていることを事実上公認し、その情報を外部には公開しない、これをイカサマといわずに何というねん。安物の格闘技なら「作られた物語」で済むことも、博打でやったらそれはれっきとした八百長や。

JRAは、二言目には「公正競馬」を標榜するくせに、言うてることとやってることが全くリンクしとらん。駒が薬品を服用している、しかもその情報が公開されていないなんて、博打としては致命的やで。日本の競馬っちゅうのは馬券を売ってナンボ、馬券が売れな賞金も出せんようになる。馬券を買う人にイカサマを見抜かれたら終わりなんやで。少なくとも俺は、シャブ漬け疑惑の馬が出てくるジャパンカップ、有馬記念の購入は控えるつもりや。俺一人の馬券代なんか微々たるもんやろけど、塵も積もれば山となる。

中央競馬が「公正競馬」であることを証明する手立てはただ一つ、真相を明らかにし、当事者に厳正なる処分を下すこと。インチキくさいもんが消えて無くならん限り不公正の疑念は晴れんさかい、処分の対象には特定の駒をプッシュしてきたJRA自身も含まれて然るべきや。目先の利益のために公正競馬を阻害してまで1頭の馬をまつりあげ、挙げ句このザマ。きっちりケツ拭け。

また、薬品使用の是非についての議論を待っている間も競馬開催は待ってくれないのだから、薬品が競走能力に与える影響を完全に否定できない以上、国内ルールと国際ルールの狭間にあるグレーゾーンの薬品を服用したことのある馬が出走する際には、出馬表に薬品使用馬であることを示す (薬) マークを付していただきたい。公正競馬、つまり公正な賭博を開帳しとるんなら、個体の情報を開示することに何のはばかりもないはずや。

言い出したらキリないけど、先週のカワカミプリンセスの降着にしても、零細牧場の生産馬で、生産者が自ら馬主になって、地味な厩舎にオッサンジョッキー、抵抗のできん弱いもんにだけ毅然とするんがJRAのやり口やしな。あれが大手の牧場で生まれて、武やら福永が乗っとったら、せいぜい罰金で済むとこや。胴元がレースの結果を操作しとると言われてもしゃあないで。

おい理事長、公正競馬やっちゅうなら、お前んとこの職員がこっそり隠れて持っとる馬券の買い目を見せてくれや。

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